プロフェッショナルに聞いてみよう!(PLC編)

吉村電機

こんにちは!吉村電機です。前回のリレー編に引き続き電気のことを勉強しはじめたら知ることになる【PLC(ピーエルシー)】という単語。電気初心者にとって聞く頻度は高いものの、まだ詳しくわからないので今回理解を深めることができたらいいなと思います。こちらについてはR先生に解説をしてもらいたいと思います。R先生よろしくお願いします。


R先生
はい。よろしくお願いします。まずはじめにPLCって聞いて何か想像できますか?
生徒A
そうですねー、何か英語の略語ですか?シーケンサとか聞いたことありますね…
R先生
そう、Programmable Logic Controller(プログラマブルロジックコントローラー)の略で、つまり“シーケンス制御”のプログラムを書き込む機器のことをいいます。今回はPLCについてお話したいと思います。
『シーケンサ』は三菱電機の商品名です。三菱電機のPLC(シーケンサ)が広く知られていることから、他社のPLCのことをシーケンサと言う人もいます。

シーケンス制御とは

シーケンス制御とは、“順番に並んだ制御”のことで、あらかじめ動かしたい動作をプログラムしておき、実際にプログラム通り動かすことです。

吉村電機では、三菱電機、キーエンス、オムロン、シーメンスのPLCを使用しています。

PLCを使う理由

制御盤の小型化

PLC自体に、リレーやタイマーの機能がついている電子機器のため、制御盤におさめる電気制御機器の数が大幅に減らせます。

回路の変更が容易

仕様の変更が出た場合、PLCを使用しているとプログラムの内容を変えるだけで、機械の動作の変更が容易に行えます。

PLCの配線

“X”というのはPLCの【入力】のアドレスのことです。PLCの端子にはXからはじまる番号がついています。ここに信号線を配線していきます。機械についている入力の代表例はスイッチとセンサです。

“Y”または“R”(キーエンス)というのはPLCの【出力】のアドレスのことです。負荷のマイナス側を配線していきます。機械についている出力の代表例は、ランプと電磁弁です。

PLCのプログラム

吉村電機では、“ラダー方式”を使用しています。プログラムはXの条件でYを動作させるというイメージです。プログラムを書いていく上でまず理解しておいた方がいいことは【自己保持回路】と【“M”の内部リレー】です。

【自己保持回路】とは、一度入力された信号を解除の信号があるまで保持することです。

【内部リレー】とは、PLC内にある仮想的なリレーのことです。

プログラムでは同じアドレスのコイルを複数回使用出来ないため、“M”を用いてプログラムを組みます。もし複数回使用していた場合、ダブルコイルというエラーが出てしまうので注意が必要です。

また、プログラム中にラダー図を見やすく分かりやすくするために気をつけたいポイントがあります。それは【コメントの入力】です。プログラムでは1つ1つの接点やコイルにコメントを付けることができます。機械の部分名や、何をするための動作なのかをコメントに残すと分かりやすくなります。

下記に例として『スイッチを押す ➡ シリンダー前進 ➡2秒後にシリンダー後退➡緑ランプ点灯』という動作をあげます。

ここでいうXは、スイッチ、シリンダー前進端、シリンダー後退端です。Yは、シリンダー前進、シリンダー後退、緑ランプです。X、Yがわかればそれぞれにアドレスを振ります。

X000 スイッチ

X001 シリンダー前進端

X002 シリンダー後退端

Y000 緑ランプ

Y001 シリンダー前進

Y002 シリンダー後退

アドレスは基本自由ですが、X,Yのシリンダーが同じなら紐付くように割り振っておくとプログラムが組みやすくなります。

実際にプログラムを組むと下記のようになります。(三菱)

動作条件
出力

まとめ

PLCとはシーケンス制御のプログラムを書き込む機器であり、PLCを使用することで、制御盤を小型にすることができたり、仕様変更が生じた場合、機械の動作を容易に行うことができる素晴らしい機器です。

具体的に上の例で説明したように、“M”という補助リレーをプログラム内でいくつか使用していますが、これを実際のリレーを使用して配線するのはかなりの手間です。PLCを使用した場合“M”という仮想のリレーをいくつも配置でき、接点を無限に多数使用できるため、実際に配線するのと比べた場合、PLCを利用した方が断然有利となります。また改造や変更も容易な為、今では広く利用されています。安価な機種もあり実際のリレーが3つ以上必要な場合は、PLCで回路を組んだ方がメンテナンス性を含めると安く構成できます。


いかがでしたか?PLCは生産設備においてとても重要な機器だということがわかりました。プログラムを書いていく上でのポイントもとても参考になりました。ここに書かれていることでよくわからないことや、もっと詳しく知りたいこと、その他質問等ありましたらぜひお問い合せください。R先生ありがとうございました!

お問い合わせはこちら