プロフェッショナルに聞いてみよう!(リレー編)

こんにちは!吉村電機です。電気のことを勉強しはじめたら知ることになる【リレー】という単語。この単語を知らないと熟練エンジニアの説明や参考書に記載されている内容についていけないそうです。今回は初心者にもわかりやすくリレーについてK先生に解説をしてもらいたいと思います。K先生よろしくお願いします。

K先生
はい。よろしくお願いします。ではまずリレーという言葉を耳にしたことはありますか?
生徒A
リレーと聞いて最初に頭に思い浮かぶのは…運動会の種目リレー競走のリレーですね。それと関係ありますか?
K先生
はい。実は電気部品のリレーはリレー競走の『バトンをつなぐ』と同様に、『電気をつなぐ』という役割から、リレーと名付けられています。英語でRELAY、日本語では継電器。
生徒A
そうなんですねーおもしろい!まさか関係あると思いませんでした。英単語の意味を知ると納得です。
K先生
では今回はリレーについて、いろいろ掘り下げていきたいと思います。

リレーについて

リレーは産業機械や家電製品など至る所で使われている、非常に重要な電気部品です。また、ほぼ全ての制御回路に使われている制御において中核となる部品となっています。

リレーの構造

リレーの構造はとてもシンプルで、コイル(電磁石)とスイッチ(接点)で構成されている電気部品です。コイルに電流を入力することで磁力(電磁石)を発生させ、その力でスイッチをON/OFF するものです。スイッチをON /OFF することにより次の機器や回路へ信号を伝える働きをしています。

リレーのはたらき

小さな電流で大きな負荷の開閉を行える

コイル部に電圧を加えると小さな電流が流れます。接点部に大きな電流を流して負荷を動作させることができます。

『小さな電流だけど、スイッチぐらいは動かせる』

『その小さな電流で、大きな電源のスイッチを入れる』

『それで大きな電力のものを動かす』

異なる種類の電気信号を伝達する

例えば、DC電源でAC負荷も電気制御(開閉)できます。

1つの信号入力で複数の出力を出す

コイル部への一つの入力信号で、いくつもの独立した回路を同時に開閉(制御)できます。


リレーの種類

リレーは大きく分けると、有接点リレーと無接点リレーがあります。機械的動作で接点を接触させるのが有接点リレーです。コイルの働きにより電磁作用で接点を開閉させる仕組みが一般的です。有接点リレーでは接点が直接接触するため、接点が少しずつ摩耗していきます。一方、無接点リレーはその名のとおり接点の接触どころか、接点そのものがありません。半導体の働きによって電気を光に変換し、その光を受光部で受けることにより、再び電気信号に戻します。摩耗する部分がないため、有接点リレーに比べ長寿命です。有接点リレーは機械的な動きに必要な時間がかかりますが、無接点リレーは光の速さで信号が伝えられるため、非常に速い動作速度を持ちます。高電圧・高電力を流す場合は、機械的に接触させることのできる有接点リレーが適しています。無接点リレーに高電圧を流すと限界以上の熱を持ちやすく、半導体が破損する可能性もあります。

リレーの役割

小さな電流で大きな負荷のON /OFF を操作

有接点リレーであれば、入力側に電圧を加えるとコイルに磁束を発生させるだけのごく小さな電流が流れます。これにより、入力側とは直接の接触がない出力側の接点が動いて導通します。出力側の接点には容量が定められており、その範囲内で大きな電流を流すことができるのです。このように、入力側に小さな電流を流すだけで、出力側では大きな電流の流れる負荷のON/OFFができるという点が、リレーの最も大きな役割といえるでしょう。

種類の異なる電源間で信号を伝える

リレーは入力側と出力側は接していないため、別の種類の電源電圧を接続することができます。例えば入力側にDC12Vを加えてコイルを作動させた場合でも、出力側には100Vの機器を接続し制御することが可能です。一般的に、入力側で使用できる電圧が定められていて、出力側は流すことのできる電流が接点容量として定められています。このように、異なる電源間で信号を伝えることができるのも、リレーの重要な役割です。

ひとつの信号で複数の接点をON/OFFする

出力側に複数の接点を持つリレーがあります。2接点、4接点、6接点などがあるほか、三相電源を考慮してつくられたマグネットスイッチは3つの接点を持ちます。入力側にひとつの信号を入れるだけで、これらの接点が同時に開閉するため、複数の信号として出力することができます。

リレーを表す配線図記号CRとMCの違い

配線図や回路図、特にラダー図と呼ばれるシーケンス制御の回路図では、多くのリレーがどのように接続され、制御回路がどのように動作しているかも表されています。このときリレーの役割を持つ部品を表す記号には、何種類かの表記方法があります。リレーの「R」だけで表すこともありますが、「CR」と「MC」と表記されていることもあります。

CR:コントロールリレー=リレー

一般的なリレーが配置されている場所を表します。シーケンサのようなPLCで使われる場合は、プログラム上の内部リレーを表す場合もあります。内部リレーの場合は、ラダー図上において記号Mと表されることもあります。

MC:マグネットコンタクタ=マグネットスイッチ(電磁開閉器)

電磁開閉器、電磁接触器、マグネットスイッチとも呼ばれるマグネットコンタクタを表します。マグネットスイッチの略でMSと表記されることもあります。一般的に三相電源を考慮して3点の主接点があるほか、いくつかの補助接点があるものもあります。

リレーとマグネットスイッチは、同じ役割を持ちます。信号を1次側に入力することで、2次側の接点が開閉し出力を伝えるという役割です。 一般的に、流れる電気が小さな場合は省スペースで価格も安いリレーが使われます。大きな電気が流れることを想定した場合は、マグネットスイッチが使われています。

制御に欠かせない部品、リレー。

『信号を受け取り出力する』ことが制御回路の基本です。複雑な制御システムも、これを複数組み合わせてつくられているといえます。この「信号を受け取り出力する」役割を担う部品こそがリレーです。PLCを使う場合には実際のリレーが使われる部分は少なくなりますが内部のプログラムには仮想のリレーを複数配置して制御回路をつくることになります。こういったことからも、制御回路において基本となる欠かせない部品がリレーです。


いかがでしたか?いくつか専門的な用語がでてきましたが、とてもわかりやすく解説されていたと思います。ここに書かれていることでよくわからないことや、もっと詳しく知りたいこと、その他質問等ありましたらぜひお問い合せください。K先生ありがとうございました!

お問い合わせはこちら

>OTSGroup

OTSGroup

『こういうのがあったらいいな』『ここをもっとこうしたい』の声を大切に。     OTSGroup・吉村電機にしかできない仕事がある。

CTR IMG